「性格重視」の人に対する誤解~内面で選ぶ人は、よく話したことがない相手と付き合わない
「女は気持ち悪いオタクと付き合うのが嫌だから暴力的な男とでも付き合う」→「私は暴力的な人は嫌。大切にしてくれる人がいい」→「じゃあ付き合って」→「お断りします」→「断られたオタクに人権などなかった」→「交際を断ることは人権の侵害ではありません」→「お前は容姿で差別している」(?)
— 架純 (@_kasumioO) August 14, 2018
「容姿より性格重視、容姿はさして気にしない」と言うと「じゃあ付き合って」「じゃあ〇〇とも付き合えるの?」みたいな謎のリプライや質問が飛んでくるけれど、「誰でもいい」とは言ってない。「容姿を気にしないなら交際を断る権利はない」みたいなの本当に謎だからやめて…。
— 架純 (@_kasumioO) August 13, 2018
わりと以前のTweetの話を今さらするのも何だけど。当時、上のやり取りを見ていて、こう思った。
「そもそも、性格重視の人間が、よく話したことのない人間と付き合うわけないから……」
あと、顔の見えないTwitterでなんで容姿差別してることになるんだろ……
私はデミセクシャル*1に近い人間だと思うので、性格重視と言っていいのかもしれないけど、今まで他者に恋愛感情を持った経験を振り返ってみれば、よく話すようになってから好きになるまで、だいたい半年近くかかっている。
容姿の許容範囲が広い人は、容姿以外の部分が主な判断基準になっていることが多い。そして、その部分については、容姿が判断基準になっている人より、許容範囲が狭いかもしれない。容姿重視の人間が、容姿の好みにうるさいように、性格重視の人間は、性格の好みがうるさい。つまり、性格重視の人間は、人を性格でえり好みするのだ。
あと、「性格重視=ブサイクと付き合う」ではない。「性格重視=容姿にこだわらない」なので、性格が合った相手がたまたまイケメンだった場合なら、そのイケメンと付き合うこともあり得る。(もっとも、私が今まで好きになった人たちは、全員容姿レベルがさほど高いわけではなかったけれど。)
「私は性格重視」と言った人に対して「嘘つけ!じゃあブサイクと付き合ってみろよ!」って言う人は、「イケメン=性格悪い・ブサメン=性格良い」というふうに、容姿と性格をごちゃまぜにして認識しているんじゃないかな。内面で判断するっていうのは、容姿評価と性格評価を切り分けて考えるってことなんだけど。
非モテをこじらせてしまった男性で、「モテ=イケメン、非モテ=ブサメン」と思い込むあまり、彼女持ちの男や既婚男性が全員自分よりイケメンに見えてしまう人がいたけれど、これも容姿と性格をごちゃまぜにしている例だろう。あと、「俺の気に入らない女=ブス・ババア」と認識したりする男性も。
というわけで、性格重視派の人間がされがちな誤解について書き出してみた。
- 「じゃあ付き合って」
初対面の人とは無理です。(自分で自分の性格が良いだなんて、大した自信だな……)
- 「じゃあ○○(ブサイクで有名な芸能人)とも付き合えるの?」
一度も会って話したことがないので無理です。
- 「○○(イケメンで有名な芸能人)が告白してきても、付き合わないの?」
一度も会って話したことがないので無理です。
- 「性格重視なら、イケメンとは付き合わない(ブサイクと付き合う)はず」
性格が合った相手がたまたまイケメンだった場合は、イケメンとも付き合うでしょう。というか、「イケメン=性格悪い・ブサイク=性格良い」という思い込みって、完全に他人を容姿で判断してるよね……
- 「寛容なんだね」
容姿重視の人間が、容姿の好みにうるさいように、性格重視の人間は、性格の好みがうるさいです。むしろ、「イケメンだったらOK」な人のほうが、ずっと寛容なんじゃないかとすら思えます。
- 「性格の良い人が好き」
性格が良いのはもちろん最低条件ですが、気が合うかどうかも大問題なので、「話題の共通点がない」「ノリやテンションが合わない」などの、わりと理不尽な理由で付き合いに至らないことがあります。
- 「イケメン/美女に興味がない」
美しいものを美しいと思う感性があるように、美しい人を美しいと思う感性はあります。しかし、その人と付き合ったりセックスしたりしたいかというと、それはまた別の話です。
例えば、クジャクは美しいし、クジャクと道ですれ違ったらつい二度見してしまいますが、クジャクとセックスしたいとは思わないでしょう。
- 「おしゃれやファッションに興味がない」
ファッションは、絵画や音楽などと同じ自己表現なので、自分自身や他人の自己表現に興味を持つことはあり得ます。
そもそも、全ての人のおしゃれをする動機が「モテたい」から始まるわけではありません。これを書いている私は、おしゃれやファッションに興味があるほうですが、「世界の民族衣装」「日本のファッション100年」みたいな本を読んでいたところで、別にモテたりはしませんしね。
たぶんだけど、「よく話したことのない人間と付き合うわけない」というのは、性格重視派の人間なら、感覚的に理解できることだと思う。それが理解できないということは、つまり、その人自身が、相手の中身に興味を持っていないということなんじゃないかな。
性格重視の人間は、相手が自分の中身に興味を持っていないことを察したり、まだ十分にお互いのことを分かり合ったとは到底思えない時点で好意を顕わにされたりすると、「この人は、私の何をわかっているんだ?」「私はあなたのことをよく知らないし、あなたも私のことをよく知らないよね?」と思って、引いてしまいがち。
外見は一瞬でわかるけど、中身は理解するまでに時間がかかる。性格重視の人間だって、テレパシー能力の持ち主ではないので、付き合うまでに、お互いをよく知るための十分な期間が必要なのだ。
……ただし、「この人、私がどういう人間なのかってことに興味がないし、付き合えるなら誰でもいいんだな」と思った場合には、その時点で「ナシ判定」が出てしまう可能性が非常に高いし、ましてや、ふられたからといって怒り出す人は、他人の性的自己決定権を尊重できない、暴力的な人だという内面が一発でわかってしまうから、もちろん「ナシ」だ。
「アリ」かどうかの判断には時間がかかるが、「ナシ」はわりと早い段階でわかること、けっこうあるよね。(というか、男を顔で選ぶ女を嫌悪しておきながら、自分は女性の内面を見ようとしていないって、どうよ……)
それに、「女は気持ち悪いオタクと付き合うのが嫌だから暴力的な男とでも付き合う」って言うけど。まぁ「気持ち悪いオタク」はともかく、「好みじゃない相手と付き合うのが嫌だから、今のところ誰とも付き合ってない」っていうのも、普通にあるよね。これ男でも女でもある。
私自身、モテることにさほど興味を持ってこなかったので、お付き合いセックス等未経験の期間を長く過ごしたし。
まぁ世の中、常に付き合う相手がいないとダメな人もいるけど、そうじゃない人だって普通に沢山いるしね。というか、そうじゃない人のほうが多いんじゃないかな?常に付き合う相手がいないとダメって、恋愛依存っぽい。
「暴力的な男」が女と付き合えているケースに関しては、世の中悪徳商法で儲ける人もいるよねっていう話だと思う。実際は普通に商売してる人のほうが多い。売るための方法や戦略も、客層や商品によって様々。幅広い層にウケる路線もあれば、ニッチ層の需要を掴む路線もある。ただ、やっぱり「商売下手」な人はいるよね、ということかと。
男性だって、タチの悪い女に引っかかってる人は沢山いるわけで、そういう自分は絶対に大丈夫だと言い切れるのかな?と思いました。ほら、詐欺啓発でも「『俺は絶対に騙されない』って思っている人ほど騙されやすい」って言うしね。他人事じゃないと思うよ。
私は、選ぶ基準が容姿でも中身でも良いと思う。他人のことを、容姿に恵まれないからといってバカにしたり、容姿関係ない場で容姿基準を持ち出すのが良くないんであって。ただ、今の世の中、それが徹底されていないから、ミスコンの開催とかも色々微妙になるんでしょうね。
ちなみに、私が今まで付き合ったり親しくなったりした男性には、「親しくなった相手じゃないとセックスしたいと思わない」という人が多かったですね。類友。
人として仲が良い、が先で、それを満たす前に告白してもほんとに厳しいのだ。
— 元(中年彼女いない歴=年齢の既婚のアラ)イさん (@BeVi56174065) 2020年11月22日
仲が良いも、そこそこ仲良しとめちゃくちゃ仲良しとグラデーションがあって、めちゃくちゃ仲良しくらいまで行っててもまだ確実に付き合えるわけではないから難しいのだ。
仲良くなる前から恋愛的に好きになると、その仲良くなるという時間を待てなくなるのだな。
— 元(中年彼女いない歴=年齢の既婚のアラ)イさん (@BeVi56174065) 2020年11月22日
仲良くなるための行動もおかしくなるし、余裕もなくなるのだ。
「モテる男がモテる」のにはわりとこういう明確な理由があって、「人間的に同情したり励ましたり親切にしたいと思ったときにそうしても、それを恋愛感情だと勘違いしたり、それを理由に要求をエスカレートさせてこない」んですよね そこに生まれる「普通の信頼関係」がすべての、本当にすべての
— syurisyeri (@syurisyeri) 2020年10月23日
スタートになるということが本当にわかってもらえない 「そうかそうすれば恋愛関係がスタートできる可能性が?!」ではなくて、「人間的な普通の信頼関係が築ける可能性が生まれる可能性のスタート」ぐらいです なんでそう願望と期待と要求の間の区間と速度がすごいのか。
— syurisyeri (@syurisyeri) 2020年10月23日
内面を重視する女性ほど、お互いをよく知らない段階で早急にアプローチしてくる男性は選ばないからね……というか、「知り合い」程度の仲の段階では、まだ恋愛を意識してないな。
あと、最後に言っておきたいことがある。
女にもオタクいるよ!?*2
ていうか、創作側は昔から女のほうが多いからね。コミケの歴史調べてみて!
それに、もともと「オタク」って「モテない人」っていう意味じゃなかったよね?そういう人は「非モテ」って言うんじゃないの?
「私は性格重視」と言った途端に「じゃあ付き合って」と言ってくる人って、随分自分の性格の良さに自信があるんだなーと思うけど、うん……まぁ……ね。