宇野ゆうかの備忘録

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「男らしさを降りる」話になると必ず出てくる「男らしさを降りるとモテない!」について。#国際男性デー

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11月19日は国際男性デーだが、この手の話題には、必ず「『男らしさ』を降りるとモテない!」と言う人が出てくる。

これについては、もっと女性の多様性を信じたほうがいいと思う。一般に、女性のほうが男性より早くに性役割からの解放を目指す文化があったので、男性に「男らしさ」を求めない女性も沢山いる。

ただし、そういう女性は、男性から「女性らしさ」を求められることを嫌う。「男らしさ」を求められたくないのなら、自分も女性に「女らしさ」を求めるべきではないし、女性に「女性らしさ」を求めるのなら、自分も相手の女性から「男性らしさ」を求められるのは、まぁ当然だろう。

 

なんというか、男性の間では、「フィクションの女性像」が作られているなと感じる。

『日本の包茎(著:澁谷知美)』の中には、「包茎を嫌う女性」というフィクションの女性像を男性が作り出し、男性同士で「そんなことじゃモテないぞ」をマウントを取り合い、それが美容整形の収入になって、男性の憎しみが女性に向かうという構図が明らかにされている。

また、『ハゲを生きる―外見と男らしさの社会学(著:須長史生)』でも、ハゲをからかうのは圧倒的に男性だという、同様の構図が指摘されている。男性に対してハゲ薄毛を活かす魅せ方を提案する「株式会社カルヴォ」の社長調べによると、7割以上の女性が「似合っていればOK」と考えているという。

wezz-y.com

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男女で食事を奢るか奢らないか問題については、元記事にもある通り、男性のほうが「奢るべき」と考える傾向があるようだ。

toyokeizai.net

 

「『男らしさ』を降りるとモテない」というのは、女性の実態に即していないと思う。確かに男らしい男性が好きな女性はいるが、それ以外の女性もいる。「モテまくる男女は少数だが、恋人ができる男性・女性は多様」というのが、実際のところだと思う。女性だって様々だから、全ての女性に好かれる男性なんていない。

また、「金を持っている」というのは、今でもモテ要素かもしれないが、今の時代は「家事育児を当たり前にやる」ほうがモテ要素だと思う。

なんというか、モテないとか幸せな恋愛ができないとかって、もっと別のところに原因があるような気がするんだよね。

 

モテなかったり幸せな恋愛ができない人って、女を選べない人が多いなと思う(女性の場合もそうだけど)。ここで言う「選べない」っていうのは、モテ男みたいによりどりみどりの女性たちの中から選ぶとかじゃなくて、「自分はこういう人間だから、こういう人と相性が良いんじゃないか。逆に、こういう人とは相性が悪い」と分析して、相性が悪い相手には好かれなくても良いと割り切ることだ。

これができないと、例えば、本当は「男が奢って当然でしょ」と思っている女が嫌いなのに、女に嫌われるのが怖くて、いつも全額奢ってしまい、でも嫌だから内心で女に対する憎悪を募らせるという、不毛なことになる。

そうやって嫌いな相手に合わせていると、自分のコミュニケーションの取り方が嫌いな女にチューニングされてしまって、本来付き合いたいタイプの女を遠ざけてしまうことになる。また、女に嫌われるのが怖くて行動する人は、「カモ」にされやすくモテにくい。

 

 

結局のところ、「女なんてどうせこうなんでしょ」と思って、目の前の女性がどういう人間かということに興味を示さない男性は、モテにくいと思う。だって、多くの女性は、女なら誰でもいいとか、単なる穴目当てではなく、自分自身だからこそ好きだと思われたいのだから。

それには、自分自身と向き合うことと、日頃から恋愛対象以外の人ともちゃんと向き合って、リアルな人間について知ろうとすることが必要だ。「自分はどういう人間なのか」に向き合ってきた人は、おのずと「相手はどういう人間なのか」に向き合えるようになると思う。

というか、「〇〇人ってどうせこうなんでしょ」と思って、目の前の相手がどういう人間かに興味を示していなかったら、そりゃ仲良くなれないよね。

 

「男性優位社会にいないと女を手に入れられない」って言う人いるけど、私の場合は「男を手に入れたい」じゃなくて「相性の合う人と付き合えたら」ぐらいに思っていて、合わない相手と付き合うことに興味がなかったので、まぁそういう人とは価値観が違うよね。

 

これは、わりと正真正銘の「彼女ができる方法」だと思う。特に第3回の「非モテだからこそあえて遠回りをする覚悟を~不自然で非合理的で無駄な選択肢に目を向けよう~」は重要。

osharedanshi.com

 

真理。

gattolibero.hatenablog.com

 

非モテと「男らしさ」について。

www.asahi.com

 

この手の話には、「エマ・ワトソンだって結局ハイスぺの男と付き合ってるじゃないか!」って言う人いるけど、エマ・ワトソン自身が2009年「過去10年間で最も興行収入を稼いだ女優」になったくらいの超ハイスぺなので、大抵の男性はエマよりロースペなんだよね。

2010年11月、『デイリー・テレグラフ』紙のインタビューで過去の恋愛について「男性って恋人の方がたくさん資産を持っていたりするのはあまり良い気分がしないのよね。そのことで関係が複雑にならないように願うばかりだけど、慎重にならないとね。」と語っている。

エマ・ワトソン - Wikipedia

 

あと、女性の下方婚については、これはもちろん、男性側に、主婦志望の女性がしている努力と同程度の努力は必要だろう。何もせずに「高収入男に養われたーい」と言っているだけの女は、現代でも結婚できていないしね。

 

findup なんだかんだでハイスペ、イケメン、コミュ強、金持ちの最低一つはを満たさないと相手にされないし、それだけならまだしも条件満たさないとキモ男扱いされるからなあ。その時点で脱落だよね。

『非モテが苦しいのはなぜ? 男性の生きづらさ、根底に「未達の感覚」:朝日新聞デジタル』へのコメント

私、その条件を全て満たしていない人と付き合ってきたわ(笑)。

ただ、「1対1のコミュニケーションがちゃんととれる人」を選んできた。相手の話を聞ける、話し合いができる人ね。自分の両親を見て、話し合いのできない夫婦はダメだと思ったので。

その場を盛り上げてウェイウェイ言ってる、1対多数のコミュニケーション能力が高い人でも、1対1のコミュニケーション能力が低い人っているし。やっぱり、付き合うなら1対1のコミュニケーション能力が問われるよね。

高いメシ奢ってくれる男より、一緒にコンビニのおにぎり食ってても楽しい男のほうが貴重だよ。自分と相性の良い相手は、なかなか出会えるもんじゃないからね。

 

[2021/11/25 追記]

id:gagababan う~ん、育児や家事を重視することを、男らしさから降りるととらえるか、男らしさの項目が増えたと感じるかの違いだと思うなぁ。

えっ……家事は人として生活するためにすることで、育児は親になったからすることでしょ?そこに本来、男らしさとか女らしさとかはないよ。もちろん、生活の糧を得ることにも、本来、男らしさとか女らしさはない。

共働き世帯が主流になった今の時代では、「自分は家事も育児も仕事もやるのに、夫は家事育児しないんじゃやってられない」と思う女性は多いからね。

 

[2021/11/27]

男女平等な社会のほうが、女性の権利が守られるから、女性は守られる。不平等な社会だと、男性から女性への加害がなかったことにされるからね。

現代日本では、男が女を守って死ぬケースより、女性のケア労働によって男性の健康と寿命、精神衛生が守られているケースが多い。配偶者がいる女性といない女性では、寿命と幸福度にさほど差はないけど、男性の場合は差が顕著だから。

「僕稼がないで主夫やるよ!!!守ってね。」って男は、確かにモテないだろう。主夫業をナメてるから。主婦業は家族の健康を守る仕事。

だいたい、「いざという時守ってやらないぞ!」と言う男、いざという時守らない。あと、勝手に死ぬ前に、相手の女性が何を求めているのか聞いたほうがいい。

 

”「強い男性を求める」とか「優秀な遺伝子を求める」といったことは、私の勘では、恋愛経験の少ない人が空想で述べたことであって、まったく事実を反映していないと思う。「女性の本能」でいえば、「愛する人を守りたい」というのが本能であり、そこに強さとか遺伝子とかはまったく関係ないように思うのだ。”

ひきこもりでも結婚できる(69) | 高齢ひきこもり

この人、天然モテの人だ……!

 

id:frothmouth “女性の実態に即していないと思う” 思うだけではな...特にデータはないので、宇野さんより婚活渦中の人の言説を優先しようと思う/男らしさを降りても降りなくても良いし、モテを目的にしてもしなくてもいい

ただ恋愛したいのか、恋愛して幸せになりたいのか、ただ結婚さえできればいいのか、幸せな結婚がしたいのか。

私は、(単純な)データや未婚の婚活渦中の人より、既婚者や離婚経験者の、実生活に即した意見のほうが、参考になると思うけどね。

「夫婦とは下痢嘔吐している時に看病しあう関係です(『オクテ女子のための恋愛基礎講座~著:アルテイシア』より)」

 

私自身の恋愛観について。

yuhka-uno.hatenablog.com

yuhka-uno.hatenablog.com