宇野ゆうかの備忘録

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「大人相手に1日3食作る必要なくね?」と、共働き家庭に育った私は思う。

“ 新型コロナの影響で、うちのツレもリモートワークになりました。いやー………振り返ってみてやっぱり、しんどかったですね。ひとりの時間がなくなって、3食作るのがエンドレスになるって。

 朝送り出して、帰ってくるまでのひとりの時間が消滅。昼食も作る日が続き、終わりは見えない。

「自分の昼ごはんも作るんでしょう? ひとり分もふたり分も一緒じゃない」といわれることもあるけど、「自分だけなら別に食べなくてもいい」という選択の自由があることが、豊かで、ありがたいことだったと分かりました。

 ツレはリモートでも時間が自由になるわけではなく、昼休憩は12時から13時までの間。

 私はフリーランスのライター、これまで特に時間を気にせず昼食をとり、原稿を書いていたのが、12時に合わせてごはんの用意をする生活になったわけです。”

毎日3食「エンドレス炊事」がつらい 心が楽になる便利商品&行動とは? | 白央篤司の罪悪感撲滅自炊入門

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上記の記事は、新型コロナウイルスの流行により、パートナーがリモートワークになった、料理担当フリーランス男性の話らしい。これまでは、昼食は自分のペースで作って食べていたのが、パートナーの仕事の休憩時間に合わせて作るようになったことで、毎日3食作ることにしんどさを感じていたという内容だ。今の時代の家庭では、これの男女逆になったバージョンがけっこう多かったのではないかと思う。

 

このようなご家庭の話を見かけるたび、正直なところ、私はこう思っていた。「子供ならともかく、大人相手に1日3食作る必要なくね?」

なぜなら、私が育った家庭は、共働き家庭だったため、子供たちは中学生になったら自分で弁当を作って持って行っていたからだ。そして、朝食も、子供の頃は親が用意してくれていたものの、ある程度大きくなってからは、それぞれ出勤や学校に行く時間が合わなくなったため、「各自、自分で用意して食べる」ということになったからだ。

朝食は、ご飯だけは炊いておいて、冷蔵庫に常備してある漬物や佃煮などのご飯のお供を、便宜自分で取り出して済ませていた。(ちなみに、そのご飯を炊くのも子供たちの仕事だった。)ご飯を炊き忘れた時用に、インスタントラーメンも常備してあった。

というわけで、我が家では、食事を用意してもらえるのは基本夕飯だけというのがデフォルトなのである。ちなみに、父も母も家族のために料理を作っていた。

 

そういう家庭で育った私としては、子供や介護が必要な人がいるならわかるのだが、健康で健常な大人相手に「1日3食用意しなければならなくなった」というのは、「え?なんで?」である。

カット肉どころか、相手の昼食時間に合わせて炊飯器のタイマーをセットしておいたら、「ありがとー」っていう世界。たまに母が作りおきおかずを作ってくれていたら、それを食べたりはするし、「卵焼き作るけど、あんたも食べる?」っていうことはあるし、全員が休みの日に「お昼ご飯、素麺にしようと思うんやけど、どうする?」「それがいい」とかはある。でも、基本は各自自分でだから、用意してなくても誰も文句言わない。

 

パートナーがリモートワークになったら、昼食を作るようになったということは、パートナーが外で働いていた時は、昼食を作っていなかったということなのでは。なら、仕事現場が職場から自宅に変わったからといって、そこは変えなくてもいいんじゃないかな。

いつもパートナーに弁当を作っていた人の場合は、何も12時の昼休憩の時間に合わせて作らなくても、あらかじめ作っておいて「じゃ、時間になったらテキトーに食べといてね」で良いのでは。

もしパートナーが12時に昼食を作ることを望むのなら、その分料金を貰うか、その分他の家事をやってもらうかして解決すればいいと思う。いつもより仕事増えてるんだから。世の中、仕事の拘束時間が増えれば賃金も発生するのが普通である。なら主婦業もそうだろう。

 

“周りのリアル妻たちは「いい奥さんをやめたら夫婦仲が良くなった」と言います。

結婚当初はちゃんと朝ごはんを作らなきゃと気張って、味噌汁に焼き魚など用意していたが、夫はあまり喜ばず「こっちは必死で早起きしたのに!」とイラついていた。そこで夫と話し合うと「1秒でも長く寝ていたい」と本音がわかり、朝食作りをやめたら夫婦仲が良くなった……等など。”

 

“心ある夫たちは「奥さんはテキトーでゆるゆるな方がいい、機嫌よく笑顔でいてくれるのが一番だから」と言います。良妻賢母プレッシャーに囚われていると「私はこんなに頑張ってるのに!」と被害者意識や見返り要求が生まれる。それで不機嫌になって夫婦仲がギスギスするなんて、バカらしいではないですか。無理しないと続かない関係はいずれ破綻します。パートナーは無理せず機嫌よくいられる相手が一番。”

 

――『オクテ女子のための恋愛基礎講座(著・アルテイシア)』――

これは夫婦間の話だけれど、子供からしても、「3食きちんと手作りでイライラしてる親」よりも「テキトーゆるゆるで機嫌がいい親」のほうがいいんじゃないかな。

 

毎日3食作るなんて、ブラック企業ですよ。もう共働き家庭が主流になっている時代なんだから、専業主婦時代の呪いは解いていくべき。

今の子供たちだって、将来は親世代よりも共働き時代を生きていく可能性が高いから、呪いは子供の世代まで持ち越さず、今の子育て世代のうちに絶っておいたほうがいいのかも。

 

コウケンテツさんもこう言ってるしね。

www.asahi.com

 

中高6年間、自分で弁当を作っていた話。

yuhka-uno.hatenablog.com

 

子供には年齢に応じて家事を教えたほうがいいという話。

yuhka-uno.hatenablog.com