宇野ゆうかの備忘録

ちょっとした作品発表的な場所。/はてなダイアリー→d.hatena.ne.jp/yuhka-uno/

貧乏人の私がおしゃれになるためにしたこと

「おしゃれや流行に興味のない子でいてほしい(金がかかるから)」という願望を持った母のもとで育ち、ブラジャーも買ってもらえなかった私は、毒親の影響から回復するための心理カウンセリングを受けるうちに、「私、本当はおしゃれしたかった!」という願望が掘り起こされた。

しかし、ひきこもりから脱出して、細々と賃金労働を始めたばかりの私には、満足に使えるお金はなかった。だが、今まで押さえつけられていた分、それでも何とかおしゃれがしたい。このエントリは、そういう状態の私が、おしゃれになるためにやったことの記録だ。

ちなみに、これは、「めちゃくちゃ」おしゃれになるためのものではないので、悪しからず。せいぜい、まぁちょっと、他人から「そこそこ」おしゃれな人だと認識される程度のものだと思っておいてほしい(笑)。

 

リサイクルショップで買い物する

リサイクルショップは、貧乏人の味方だ。私は今でも、パンツとブラウスと靴以外のものは、まずリサイクルショップで探すことにしている。

 

リサイクルショップ最大の利点は、試着をしまくれるということだ。おしゃれ苦手人間にとっては、まず試着のハードルが高い。店員とコミュニケーションを取らなければならないということが、ハードルを高くさせるのだ。だが、試着はおしゃれ上達の基本。数をこなしていくうちに、自分に合ったサイズや服の形が、なんとなくわかるようになってくる。

リサイクルショップは、服を売っている店舗の中で、最も試着のハードルが低い。ユニクロよりも低い。何回試着をしても、店員に嫌な顔をされることはない。だから、あえて絶対似合わないものを着てみるという遊びもできる。

 

ただし、気をつけていることがある。それは、安いからという理由で買わないこと。本当に着ると思うものだけを、真剣に吟味して買う。

おしゃれが苦手なうちは、沢山失敗するものだし、失敗は上達の過程で避けて通れないものだけれど、「安いから、とりあえず買っとこ~」と思ってした失敗は、あまり実にならない気がする。それに、少額でも、積もり積もればそれなりの値段になる。失敗は、真剣に選んで買ったものでするからこそ、実になるのだと思っている。

 

本当に吟味して買おうとすると、10着くらい試着して、買うのは1着くらいとか、そんなことも珍しくはないし、時には気に入ったものがなくて、何も買わずに帰ることもあるけれど、むしろそれで良いと思っている。そういう時は、代わりにハーゲンダッツでも買って帰ればいい。

 

これは、普通の店舗で服を買う時も同様にすると良いと思う。私は、試着はタダでできる服の勉強だと、自分に言い聞かせている。

それから、私は試着した際によく自撮りする。鏡で見た時よりも客観的に判断できたりするし、例えば、白いブラウスを買おうと思って何着も試着した時に、後でどれが良いか見比べることもできるからだ。

 

アイテムのTPOを知っておく

普段着はそう気にすることはないけれど、特にフォーマルシーンの場合は気にかける必要がある。TPOを外しているからといって、わざわざ言ってくる人はまずいないけれど、よくある、結婚式にタウン用の高級ブランドバッグを持って行ってしまうミスを犯すなどするのは、お世辞にもおしゃれとは言えない。

 

洋装のフォーマルに関しては、私は、基本的に欧米のものを参考にしている。なぜなら、日本のサイトなどで紹介されている「結婚式で推奨される服装」をアテにしてしまうと、露出を避けるために、変なボレロを着なければいけない気がしてくるからだ。

洋服なのだから、欧米基準で考えればいいんじゃないのかと思っている。ドレス自体は、露出が下品にならないものを選んで、羽織りものは、あくまでも冷房対策などの体温調節用で。

ただ、パーティーバッグに関しては、日本の慣習に習って、ご祝儀袋が入るサイズのものを選んだほうが、便利だとは思う。

 

あと、私は、「以前と同じドレスで出席するのは恥ずかしい」というのは、謎ルールだと思っている。私は一般庶民であって、セレブや芸能人ではないのだから。自分に似合ってないものを何着も取っ替え引っ替えするよりは、自分に似合っているものを何度も着たほうが良いと思う。

葬式と結婚式で同じ格好じゃなければ、それで良いんじゃないの?(開き直り)

 

プロのアドバイスを受ける

「パーソナルスタイリスト」や「イメージコンサルタント」などの名称で、ファッションのアドバイスをしてくれる人のことだ。

お金はそれなりにかかるけれど、やってみたら、とても良い投資と節約になった。美容院に行けば、カットだけでも毎回5000円近くはかかるのだし、服だって化粧品だって買う。それらを自分で試行錯誤し続けていると、お金も時間もかかるから、何万円か使ってプロにアドバイスしてもらったほうが早い。

 

私の場合は、髪型から靴まで、全身アドバイスしてもらいたいと思って、パーソナルカラーとパーソナルデザインを診断してもらえるコースにしたのだが、まさに大きな転機となる出来事だった。これ以来、今まで感じていた違和感がなくなり、私の中には、おしゃれに対するはっきりとした軸ができて、自分に似合うものを自分で選べるという自信がついた。

自信がつくと、店員さんと話すのも、美容師さんに注文するのも、全く臆さずできるようになった。それまでは、自分より相手のほうが、おしゃれに詳しいし、よく知っていると思っていたから、なんとなく断りにくさを感じていたのが、プロのアドバイスを受けたことによって、「自分に似合うものは、自分のほうが知っている」と信じられる状態になったのだ。

 

また、それによって、「おしゃれな人になる覚悟」ができた。それはつまり、自分が主役になる覚悟だった。

これまでは、「自分はおしゃれな人です」「おしゃれが好きな人です」という振る舞いをするのは、どこか気恥ずかしい気がしていた。目立たない、いわば「モブキャラ」でいることで得ていた安心感もあったかもしれない。でも、それを手放して、主役にならないと、一生、自分が納得のいく格好で生きていくことはできないんだ!と思ったのだった。

 

余談だが、「おしゃれになって、モテるようになった」という、よくある現象は、単純に外見が変わったというだけではなく、その人が、モブキャラをやめて、主役として振舞うようになったからというのもあるのかもしれない。

 

自分のブラジャーのサイズを把握する

女性のおしゃれにおいて、自分に合ったブラジャーを身に付けることの大切さは、『Style up スタイルアップ~ティム・ガンのファッションチェック』という番組で教わった。大きい小さいの問題ではなく、正しいサイズのブラを身に付けると、胸の形が整えられて、服を着た時の見た目も良くなる。

そのために、ユニクロや無印ではなく、ランジェリー専門店に行って、店員さんにサイズを測ってもらって、ブラのフィッティングを見てもらって購入した。

 

実は、多くの女性が、正しいサイズのブラをつけていないらしい。私の場合もそうで、自己測定では正しく計測できていなかった。もしユニクロや無印のブラを使うにしても、一度、自分の正しいサイズを把握しておいたほうが良いと思った。

 

ちなみに、胸の成長期だった思春期の頃、母親のお下がりのおばちゃんベージュブラを投げてよこされていた私は、それまで、ユニクロのブラジャーを「ちゃんとした下着」だと思っていた。他のブラジャーも色々着た上でユニクロに落ち着くのではなく、ワコールやトリンプの4000円前後のブラジャーを、なんとなく「私には贅沢」だと思っていたのだ。

別に特別高価なものではなくても、ちゃんとしたランジェリー専門店でちゃんとした下着を買って身に付けることは、そんな自分をエンパワメントすることに繋がった。

 

自分の靴のサイズを把握する

私はパンプス難民だったので、シューフィッターさんのいる靴屋に行って、自分の足のサイズを測定してもらった。これもブラジャーと同様、案外、自分の正しいサイズを把握できていないものだ。

私の場合は、まず、冠婚葬祭&面接に履いていける、13000円くらいのオーソドックスな黒のパンプスを、シューフィッターさんと相談して購入した。アドバイス料込みだと思えば、そう高くはないと思った。

ところが、自分の足のサイズとウィズ(足囲)と、甲が低いということはわかったものの、相談して買ったはずのパンプスが、履いていると痛くなってくる。何か、まだ足りない要素があるのでは…

 

というわけで、この本を見つけて読んでみた。

どうやら私は、開張足の可能性が高いと思ったので、 開張足用のジェルクッションを買ってみた。あと、ここで紹介されていた土踏まず用クッションが、高さがしっかりとあって、靴屋で買ったクッションでもいまいち高さが足りないと感じていた私には良さそうだったので、それも買ってみた。

 

靴選びに関しては、自分の感覚として、まだしっかり身に付いたとは言えない。ここに関しては、まだ継続して努力中だ。ただ、買った土踏まず用クッションは、大変良かったし、それで楽に履けるようになった靴もあった。

 

姿勢の正し方を知る

プロにファッションアドバイスを受けてから、姿勢も意識するようになった。イケてる格好ができるようになったのに、姿勢がイケてないのでは、サマにならない。

ティム・ガンは私に、ブラジャーのサイズの重要性と、体型に合った形の服を身に付けることの重要性を教えてくれたが、正しい姿勢についても教えてくれた。

 

それまでの私は猫背で、母にしょっちゅう「背筋を伸ばして!」と言われていた。しかし、私は漠然と疑問を持っていた。多くの人が、子供の頃から、周りの大人たちに「背筋を伸ばして!」と言われているにも関わらず、背筋を伸ばすことができないのは、ほとんどの人が、正しい背筋の伸ばし方を知らないからではないかと。何か、解剖学的にというか、整体的にというか、そういう方法論があるのではないかと…

 

実際、私の予想は当たっていたようだ。ティム・ガンも、「姿勢をよくしたいなら、背筋は伸ばさない」と言っていた。「背筋をしゃんとしなさい!」と言われてやるやり方では、緊張してしまって、気を抜くと元通りになってしまうと言う。まったくもってその通り!

正しい姿勢は、コツを少しだけ言うと、両肩をできるだけ耳から遠くに持って行って、肩甲骨を下げる方法が正しいのだそうだ。なるほど、これなら疲れない。

誰でも美しくなれる10の法則 (宝島SUGOI文庫)

誰でも美しくなれる10の法則 (宝島SUGOI文庫)

 

 この本で最も役に立った項目は、「姿勢と歩き方」だった!

 

トレンドを把握する

ファッション誌を見るのが良いと思うけれど、私はファッション誌は買っていない。今の時代、ネットのファッションサイトでも情報は得られる。それに、ファッション誌って、1冊800円くらいするんだよ。貧乏人は、美容院やクリニックに行った時に見ればいいよね。

 

トレンドを把握する目的は、今の流行を知っておくことよりも、どちらかというと、流行遅れにならないようにするため。おしゃれに見えるようにするには、「流行を取り入れる」よりも「ダサいところを潰す」ほうが大事だと思う。

流行はだいたい3年くらいで徐々に変化していくと思う。男性のドレスシャツだって、3年くらい前はホリゾンタルカラーが流行りだったのが、最近はあまり見かけなくなって、タブカラーをよく見かけるようになっている。

感覚を更新しておかないと、気づかないうちに「うわっ…私の眉毛、細すぎ…?」みたいなことになりかねないからね(笑)。

 

まとめ

まとめると、私は、おしゃれになるには、

・自分に合う服のサイズ感を把握する。

・アイテムのTPOを把握する。

・自分に似合う色や形、デザインを把握する。

・自分のブラジャーのサイズを把握する。

・自分の靴のサイズを把握する。

・姿勢を正す。

・トレンドを把握する。

が必要だと考えて、それを実行してきた。

 

つまり、これらは、絵を上手く描けるようになったり、楽器を上手に演奏できるようになったりするのと、同じことなのだと思う。高いブランド物の服というのは、例えるなら、高い画材や高い楽器だ。もちろん、あると表現の幅は広がるけれど、それを使ったからといって、良い絵が描けるわけでも、良い演奏ができるわけでもない。良い表現とは、ひとえに、その人の技術力に左右されるものだ。

それはたぶん、おしゃれも同じなんじゃないだろうか。上手い人は、紙と鉛筆だけで描いたって上手いし、初心者用の楽器を使ったって上手い。プロのスタイリストは、高い服のコーディネートだってできるけど、逆に「ファストファッションだけでコーディネートせよ」という縛りを設けても、その中で最大限おしゃれな組み合わせを考えてくると思う。

 

ちなみに、私は、ファッション誌というのは、音楽情報誌のようなものだと思っている。初心者が「ギター弾けるようになりたいな」と思った時に読むものではない。そういう時は「ギターの弾き方」みたいな本を買うものだし、他人に弾き方を教わるものだ。

これはどんなジャンルにも言えるけれど、わからないこと・苦手なことは、他人から教わったほうがいいと思う。「下手の考え休むに似たり」と言うし、下手なうちは独学では限界がある。おしゃれを教えてくれるプロもいるしね。

 

今後は、できればメイクレッスンを受けてみたいな、と思っている。あと、靴も探さないと… 

 

〔2020.06.29追記〕

この動画の0:55からのフラの基本姿勢が、ティム・ガンが言ってる姿勢の正し方と同じ!


DVD制作 「キャロルハルヨのSexy&Fitbody フラスタイル体幹&骨盤ダイエット」

 

 

関連リンク

毒母からのおしゃれ抑圧の話。

d.hatena.ne.jp

おしゃれ抑圧から開放されていく過程で読んだ本の話。

d.hatena.ne.jp